変わりゆく時代の中で、PRという仕事に思うこと
PRという仕事に携わっていると、常に「世の中の空気」を読む力が求められます。
何が求められ、どんな言葉が人の心に届くのか。時代の流れを俯瞰しながら、誰かの想いを社会へ届けていく——そんな仕事です。
私がPRの魅力に惹かれるようになったのは、広告代理店で働いていた頃のこと。
「広告以外の手段でもっと人の心に届く方法はないか」と模索していた私は、そのヒントを求めて夜間のPRスクールに通い始めました。そこの講師として教壇に立たれていたのがWORKING FOREVER代表・西澤さんでした。
<お仕事以外にも、日替わり店長バーもご一緒させていただきました>
授業はとても刺激的でワクワクするものでした。
そして「WORKING FOREVER=生涯現役」という言葉を掲げて活動されている西澤さんの姿勢にも、強く心を打たれました。「何かお手伝いさせてください!」というアプローチを受け入れていただき、そこからPRウーマンとしての立ち居振る舞いを、より間近で学ばせていただく機会を得ました。
あれから数年。
PRの世界は、SNSの進化とともに大きく変化してきたと感じています。
今は「共感」「感動」「信念」など、感情に寄り添った表現やコンテンツが、より注目されるようになりました。
一昔前までは、「お金」「地位」「名誉」といった分かりやすいステータスが成功の証とされていました。でも今は、“強さ”よりも“しなやかさ”、“No.1”よりも“Only One”という考え方に共鳴する人が増えています。結果が同じでも、そこに至るまでの道のりや信じるものは人それぞれ。正しさは一つではなく、多様な選択肢を尊重する空気が、少しずつ広がってきているのを感じます。
私は今年、30歳を迎えました。「若いね」と言われる20代が終わり、周囲には子どもを育てている友人、会社で役職に就いた人、夢に向かって一歩踏み出した人など、それぞれのペースで人生を歩む姿が増えてきました。多様な価値観や選択肢がある今、「人は人、自分は自分」と頭では分かっていても、ふと他人の人生に心が揺れる瞬間があります。
ある日は刺激になって背中を押され、またある日は、自分の歩みが不安に感じられる。
堅い価値観と柔らかい価値観、仕事とプライベート。
その間を揺れながら、自分の立ち位置を探している自分がいます。
<スタートアップに転職が決まった時。不安と希望で胸がいっぱいだった。>
人生には、学校のテストのような明確な正解はありません。
誰かが定めた“正しさ”ではなく、自分の中にある“納得感”こそが、唯一の指針なのだと思います。「私は、いまをちゃんと生きている」——そう実感できる瞬間を、どれだけ重ねられるか。それが、生きるうえでいちばん大切なことなのではないでしょうか。
もし60歳の私が、いまの私に声をかけるなら、きっとこう言う気がします。「そのままで大丈夫だよ」と。
「もし明日、人生が終わるとしたら」そんな問いを、自分に投げかける時間が、最近増えてきました。
そして、改めて思うのです。PRという仕事には、特別なやりがいがあります。
誰かの想いを、想いを必要としている人のもとへと届けていく。愛を、受け取りやすい形にして世の中へ差し出していく——それが、私にとってのPRという仕事です。
商品やサービスの背景には、必ず作り手の情熱やこだわりがあります。
それに触れたとき、人のあたたかさや誠実さに出会えるのも、PRの魅力の一つです。届け先の相手にも、いつも想いを馳せます。この情報が、誰かの一日を少し明るくするかもしれない。その人の選択肢を、ほんの少し広げることができるかもしれない。そう信じて、言葉を紡ぎ、手段を選びます。
背景に寄り添い、未来を想像しながら、社会という舞台にそっと橋をかける。
PRとは、そんな仕事です。
縁の下の力持ちのような存在かもしれません。共感力が高く、時には傷つくこともある。
けれど、さまざまな視点に立ち、人の想いをすくい上げる力が求められる——
そんな人にこそ、向いている仕事だと思います。
そして、揺れている私自身も。その役割に夢中になっているとき、たしかに「私は、ちゃんと生きている」と感じることができるのです。
この記事を書いた人は・・・
ナカダ ユミ/Yumi Nakada
スタートアップ企業のマーケティング職として従事。HSP気質の職人肌で、 調香、絵を描くこと、歌うことなど、「表現×没頭」を生きがいにしている。自然をこよなく愛する、アルプスの少女ハイジのようなアラサー乙女。
「MY FAVORITE PR WOMAN(マイ フェイバリット ピーアール ウーマン)」は、ベテラン、中堅、新人etc…、さまざまな視点で広報・PRという仕事を考える、PR乙女たちによるリレー形式のPRお仕事コラムです。
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